前回の続きになります。トトロはどんな立ち位置であるのか、私個人の視点でお話させていただきます。

トトロは神様として見てもらうと面白いです。子供には見えるが、純粋な気持ちを失うと見えなくなる。大人には見えない設定ですね。さらに、本当に困った時に頼りにするという意味でも、神様と似ている点です。

めいちゃんがいなくなった時の、村の人達の行動力はすさまじいです。あれが本来の人間のあるべき姿なんです。今は近所の子供がいなくなっても、お隣さんですら知らないでしょうね。人と人が繋がり、地域を形成する。これは時代が進んでも変わらないことです。しかし、現代はそれは希薄になり、コロナの世でさらに変わりました。ですが、日本人は気付いています。人は人と関わることで経済や文化を発展させてきたと。

話が少しそれますが、かんた君の男らしさに感動する人もいるでしょう。口べただけど、ハートは熱い!そんな日本男性らしい少年です。さつきの家庭が大変だと気付くと、自分にできることはないか?と、行動する彼に、見る人は心を奪われます。

トトロは自分の化身でもあるクスノキを大切にしてくれたさつきを助けます。これはさつきやめい、お父さんがきちんと挨拶にきたからです。筋を通している人間を神様は助けます。

トトロをみると実に幸せな気分になります。モノがあまりなかった時代ですが、毎日楽しく過ごしています。電話も部落の有力者の家にしかない。そんな時代ですが、豊さとは何か?を私たちに教えてくれる名作です。